ゆるねこ タマブログ

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【映画】クソ野郎と美しき世界 感想[ネタバレあり]

自己紹介で軽く書きましたがSMAPのファンです。解散した今も変わらず彼ら全員のファンです!
この「クソ野郎と美しき世界」はもちろん観たいと思いすぐにチケットを予約しました。特典欲しさに4枚セットを迷わず購入。4回観れる!でも上映期間はたったの2週間。4回観に行く時間がなさそうだったのと、ひとりで観るのも何となく寂しかったので家族2人を誘い3人で観ることにしました。2人はチケットがあるなら見に行く程度の気持ちで付いてきてもらっていました。
ファンの私がこんなことを言うのもどうかと思うのですが、短編で構成されたもの(4つのエピソード)であったこともあり実はファンだから楽しめる映画だろうと内容に過度の期待はしていなかったんです。

以下、水平線からはザックリですがネタバレと感想になります(色の付いたところがあらすじです)。


EP1 「ピアニストを撃つな!」監督&脚本:園子温 キャスト:稲垣吾郎浅野忠信満島真之介・馬場ふみか他
突然のゴローさんのシャワーシーンから始まります(笑)。次に浅野忠信演じる極悪人の大門という男がめちゃくちゃ惚れたフジコ(馬場ふみか)を彼女にする事が出来たのですが、吾郎に取られてしまいます。嫉妬に狂い彼女を追いかけますがピアニストの吾郎とフジコはピアノを通して気が合い相思相愛の様子。それを見てますます怒りを露わにして吾郎の美しい指を舎弟のジョー(満島真之介)に金槌で折る事を命令します。ジョーは命令通り吾郎の指を折ろうと金槌を振り下ろすのですが相手の痛みを感じてしまうので必ず目をつぶる癖が出てしまい…
園子温監督ならではの荒々しい感じが溢れていたこのゴローさんのエピソードは終始コメディタッチでした。とにかく皆キャラが濃くて面白い。テンポも良くてどんどん話に引き込まれました。家族も笑いが多いシーンに楽しんでいた様子でした。

EP2「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」監督&脚本:山内ケンジ キャスト:香取慎吾中島セナ・古舘 寛治他
ひとりの女の子が路上に座り込んでいました。それを見ていたサラリーマンが声をかけると女の子はお腹が空いたと言います。サラリーマンはそれじゃあ食事に行こうと手を引っ張ります。そしてたまたま近くに居た警察官が怪しく思いサラリーマンを警察署へ連れて行きました。その警察署にはアーティストの香取慎吾が街中の壁に絵を描いたことの取り調べを受けていました。女の子は歌を求めて移動していました。路上ライブをしていたボーカルの女性が歌を歌い出そうとしますが何故か歌詞が出てこない。何度やり直しても歌えない。ボーカルは言います「歌が無くなった」と。次に女の子はライブハウスの前に。ライブをしようとする男性は同じように歌が無いと言い出し歌う事が出来ません。そして女の子はテレビ局のスタジオに居ました。そこにはまた歌を歌うはずの歌手尾崎紀世彦が歌えなくて苦しんでいました。歌が歌えなくなっていたのはその女の子が歌を食べてしまっていたからでした。 街中で絵を描きたい衝動に駆られていた慎吾が壁の前に居ました。警察と絵は家で描けばいい外では歌を歌えばいいと言われて約束をした事を思い出し、その場で歌おうとしますが歌詞が出て来ません。またあの女の子が現れ慎吾の歌も食べてしまいました。お腹いっぱいになった女の子はお腹が痛くなりうずくまっていると心配した慎吾が家に連れて帰りました。そして女の子が歌を食べるという事実を知りました。慎吾は歌を取り戻すためにあるものを食べないといけない事がわかり、それを食べると尾崎紀世彦も歌う事が出来るようになったのです。次の日の朝起きると慎吾は歌だけではなく描いた絵も全て女の子に食べられていました。
山内ケンジさんはCMなど手掛けていた方なんですね!そしてこのエピソードを見始めた時すぐに世にも奇妙な物語を思い出しました。それもそのはず、世にも奇妙な物語のお話も作っていた方でした。タマはこういう不思議な話が好きです。歌喰い役の中島セナちゃんは台詞が多くないのに存在感がすごかったです。それと慎吾ちゃんが歌おうとして歌えないシーンで涙が出てしまいました(T-T)タマだけだったのかな。周りは見てなかったけど。慎吾ちゃんが歌えなくて苦しんでいるその歌が全部SMAPの曲に思えて、実際こんな風に辛い時があったんじゃないかと思い胸が痛くなりました。所々笑いもあって決して重い話じゃないのにこのエピソードは特にメッセージ性を感じました。

EP3「光へ、航る」監督&脚本:太田光 キャスト:草彅剛・尾野真千子新井浩文健太郎
草彅剛演じる元ヤクザのオサムは息子からも妻からもクズと言われていました。野球が大好きだった息子は事故が原因で亡くなってしまいます。そして息子わたるの右腕は、右腕を失くしてしまった女の子に移植されたのですがその女の子に会いたい(わたるの右腕に会いたい)と強く願う妻の裕子と右腕を探しに旅に出ます。そして右腕を移植したばかりの女の子が誘拐されたとニュースで知り、その土地に行くことに。元同じ組の大門(浅野忠信)に女の子の居場所を嗅ぎつけてもらい誘拐犯(健太郎)から無事に救出する事が出来ました。そしてわたるの右腕と再会出来た裕子とオサムは心から女の子に感謝しました。女の子はわたるの父親のオサムに対して野球ボールを投げて「パパのような人を助ける人になる」と笑顔で宣言するのでした。
72時間ホンネテレビにも出演した太田光の脚本です。過去にはWe are SMAPの作詞もしています。このエピソードは太田光らしい切なくも希望のある作品になっています。他のエピソードと違いつよぽんだけ本人名ではなくてしっかりと役に入り込んでたのが印象的です。そしてかなり重い話でもありました。とてもリアルで裕子の息子を失った母親の気持ちが痛いほど伝わってきました。尾野真千子の演技はさすがでつよぽんとの夫婦役もとても自然でした。辛い話だったけど最後に報われのたのがただ悲しいだけで終わらずに良かったです。

EP4「新しい詩(うた)」監督&脚本:児玉裕一 キャスト:クソ野郎★ALL STARS
最後のエピソードは全ての話がここへと繋がっています。歌えなかった慎吾があるものを食べて歌う事が出来るようになり気持ち良さそうに歌っています。吾郎はフジコと仲睦まじくピアノを弾いています。指は無事でした。それはジョーの癖のせいで吾郎の指ではなく押さえていた大門の指を折ってしまっていたせいでした。大門もまた折られても怒りはなく自分の指より、フジコが好きなピアニストの指を認めジョーに自分の何も出来ない指をわざと折らせたのでした。オサムも改めて大門に助けられたことを感謝していました。誘拐犯の若い男性も反省している様子で、妻の裕子にも笑顔が戻りました。
脚本の児玉裕一さんはSMAPの曲、華麗なる逆襲のミュージックビデオを作った方です。またこんな素敵な映像を作って下さったのですね。極悪人の大門という男は結局はただただいい人でした。オサムと元同じ組という設定が中居さんを思い出してしまった。慎吾ちゃんが歌っているシーンはSMAPのライブのようで歌う姿を映像で久しぶりに見れることが嬉しかったです。最後のエピソードにも新しい地図の3人の色々な気持ちが表現されているようにタマは感じました。これから前向きに進んでいく新たな覚悟のようなものが見えた気がして更に応援したいと思いました。ひとつずつが短編ではありますが全てのエピソードが映画として存分に楽しめました。ファンだけではなく一般の方にも面白く見やすい映画だったのではないかと思います!

彼らの次回の作品をまた期待しています。

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